そろそろ雪が舞い降りる季節が近づいてきています。
俳句で「冬の季語」ともなっている雪虫(ゆきむし)という生き物をご存知ですか?
本州に住んでいる人にはあまり馴染みのない虫でしょうが、冬の風物詩として、雪国に住んでいる人々の間では、馴染み深い身近に存在している虫となっているんですよ。
今回はそんな雪虫の謎について調べてみました!
雪虫とはいったい何?生態は?
雪虫とは、アブラムシ(カメムシ目ヨコバイ亜目アブラムシ上科)のうち、白腺物質を分泌する腺が存在するものの通称です。
体長は5mm程度であり、綿で包まれたようになる特徴があります。
その生態は、秋になって越冬する前に、羽を持つ成虫が生まれ、交尾して越冬のために産卵すると言われています。
その姿がまるで雪が舞っているように白く見えることから、雪虫という名前が付けられました。
また、オスには口が無く、寿命は1週間ほどだそうです。
メスも卵を産むと死んでしまいます。
熱にとても弱いため、人間の体温でも元気がなくなってしまうそうですよ。
本当に溶けてなくなってしまう雪のようですね。
雪虫の生息地は?北海道だけ?
ちなみに雪虫とは、具体的に早春の積雪上に現れて活動するセッケイカワゲラ・ユキガガンボ、北海道や東北地方で、雪の降りだす季節に現れるリンゴワタムシなどのことを指しています。
したがって、ほぼ北国のなかでも、降雪量の多い地域でしかお目にかかれない希少な虫です。
もちろん、北海道だけということではなく、周辺の島々や東北地方でもその姿を目にすることができます。
雪虫の大量発生!考えられる原因は?
雪虫は、なんと初雪直前に大量発生します。
その考えられる原因ですが、環境の変化や地球温暖化によるとされています。
とりわけ、夏が暑かった年の秋から冬にかけて、大量発生することが分かっています。
大量発生したときには、衣服にくっついてしまったり、視界が遮られたりするほどで、結構厄介な問題でもあるようですね。
とくに、目や口を開けていると飛び込んでくる可能性もあり、叩いて振り払おうとすると、身体の白い液体が服を汚してしまうこともあるので、注意が必要です。
人間によって破壊されている過酷な地球の自然条件のなかで、生き延びるために、小さな虫が考え出した方法、それこそが大量発生だったに違いありません。
雪虫は夏の間何してる?
先にお話したとおり、雪虫は、たったの1周間程度しか生きることができない虫です。
ですので、夏の間も生きてはいますが、冬のような大量発生はしないようです。
大量発生することにより、人間にその存在を知らしめることができるため、夏の間などはほとんど誰にも気づかれずに、こっそりと生きていると考えられています。
雪虫(ゆきむし)とは何?のまとめ
いかがでしたか?
雪国の人たちは、冬の妖精との異名を持つ「雪虫」が発生することによって、冬という季節の到来を実感できるということですので、まさに冬の風物詩としての役割を果たしている、大切な虫だったのですね。
全く見たことがない人にとっては、雪虫という名前だけでかわいいようなイメージがありますが、大量発生ともなると大変です。
でも、夏の間はひっそりと生息しているなんて、いじらしいですね。
以上、初雪との関係と大量発生の謎についてお話させていただきました!