6月に郵送する手紙にふさわしい時候の挨拶を探している社会人の方は珍しくないのではないでしょうか。
というのも、4月に就職したり、人事異動があり、新天地へ移ったことをご報告する意味でも、6月頃の挨拶状は送る機会が多くなりがちです。
でも、先方に失礼があってはいけないし、かといって、お手紙自体を送ることを諦めることも、それはそれで印象が良くありません。
だったらどうしたらいいの?!とお嘆きの方に向けて、今回は、6月に使える「立夏の候」の読み方と意味、使える時期と例文を一挙ご紹介させていただきたいと思います。
立夏の候の読み方と意味は?
立夏の候と書いて、その読みは「しょかのこう」となります。
意味は、最近暑くなり始めましたね、夏らしさに拍車がかかってきましたねといったニュアンスとなります。
せっかく立夏の候を使用した挨拶状を作成しても、間違えて「候」を「そうろう」と呼んでしまっては、赤っ恥をかくことになってしまいますので、くれぐれもご注意くださいね!
立夏の候の時期はいつ?
ちなみに、旧暦で立夏とは、芒種(ぼうしゅ)の前日までのことを指していると言われています。
詠んで字のごとく、「夏が立つ」すなわち、夏が始まる日・夏の片鱗を感じることができるといったニュアンスです。
時期は6月6日あたりになります。
ちなみに、立夏は二十四節気の一つとされており、昼や夜の長さで季節を区分する春分・夏至・秋分・冬至と同様、季節の節目を表しています。
総括すると、立夏は夏に向けて衣替えをしたり、田植えの開始されるシーズン。
自然を基準にすれば、ツツジの花が満開になる時期のことであると覚えておくと便利ですよ。
もちろん最近は、地球温暖化にともなう異常気象によって、立夏を待たずに夏さながらの陽気となることも珍しくありません。
そんな場合でも、暦にしたがって時候の候を使うのがマナーであると言えます。
差し出す時期が遅れてしまいますと、お手紙や挨拶状というよりかは、むしろ暑中見舞いとした方が良い場合もありますので、ご留意くださいね。
立夏の候を使った例文3つ
それでは具体的にすぐに使える、例文3つをご紹介させていただきたいと思います。
こちらは、法人や団体に向けてのビジネス文書に使用することがおすすめです。
②と③は、親しい仲であったり、ご親戚・ご友人に向けてのお手紙に使うと「この人はデキる人だな!」と一目置いてもらうことができるフレーズですよ。
ちなみに、頭語を拝啓ではじめるのであれば、結びは敬具とし、女性であれば「かしこ」を用いると、より丁寧な文書とすることができますよ。
まとめ
正直な話、昔の日本の季節感は、今の日本にはほとんど当てはまることがありません。
春や秋といった過ごしやすい季節は年々短くなっていますし、夏の暑さも、40度を超えるような酷暑となったり、冬の寒さも暖房器具なくしてとても耐えられたものではなくなってきているからです。
とはいえ、日本は四季があって、それらを重んじ、礼讃するといった昔からの風習があり、お手紙を書く上で、用いることが礼儀正しいとされる風潮があります。
だからこそ、実生活と大きな違いがあったとしても、伝統を重んじ、「私は分かっていますよ」といった姿勢を見せることのできるお手紙を書くことができれば、社会人としては及第点だと言えますよ!