夏の盛りは暑さが増し、その際にドライアイスの利用が一般的になります。
アイスクリームや冷蔵を必要とする食品を購入する時、たまにドライアイスが添付されていることがあります。
ピクニックやキャンプなどのアウトドア活動でも、食べ物を冷やすためにドライアイスを使用することがあります。
ドライアイスをクーラーボックスに入れて持ち運ぶのは、通常は安全だと考えられています。
密封容器に入れた場合、ドライアイスが爆発する可能性があるものの、クーラーボックスを使えば安心です。
この記事では、クーラーボックスを使用してドライアイスを安全に保管する方法についてご紹介します。
クーラーボックスでのドライアイスは安全使用か
クーラーボックスで、ドライアイスを使用するのは一般的に安全とされています。
クーラーボックスは完全に密閉されているわけではないので、爆発する可能性というのは極めて低いです。
ドライアイスが少しずつ気化して二酸化炭素を放出しますが、このガスはボックスの蓋と本体の隙間から外に漏れ出ます。
その結果、クーラーボックス内に二酸化炭素が多少溜まっても、爆発するほどではありません。
しかし、密閉性が非常に高いクーラーボックスを使う場合や、長時間密閉状態を保つ場合は注意が必要です。
定期的にクーラーボックスの蓋を開けて空気を入れ替えることを推奨します。
密閉環境でドライアイスが爆発するメカニズム
ドライアイスは、固体状態の二酸化炭素です。
この固体が気化すると、体積が約750倍に膨張し、気体に変わります。
密閉された容器内でドライアイスを使うと、気化したガスが内部の圧力を急速に高め、二酸化炭素が容器を膨らませます。
この圧力が容器の耐久力を超えると、爆発が発生します。
特に、密閉性が高い容器や大量のドライアイスが使われた場合、その爆発力は非常に大きく、コンクリートを破壊するほどです。
ペットボトルでのドライアイスの爆発リスク
細かく砕かれたドライアイスをペットボトルに入れ、フタを閉めると、爆発する危険性が高まります。
爆発までの時間は通常、数分程度と短く、500mlのペットボトルで約5分から10分です。
ペットボトル内に液体が存在する場合、反応が加速され、より速く爆発に至ります。
ドライアイスを冷却用途で使う際に、ペットボトルを容器として使用するのは非常に危険です。
毎年、このような事故によって多くの人が怪我をしています。
以下に、東京消防庁が実施したペットボトル内でのドライアイス爆発の実験映像を紹介します。
クーラーボックスでのドライアイス使用時の安全対策とその理由
ドライアイスをペットボトルに入れて密閉すると爆発の恐れがありますが、クーラーボックスを使う場合は比較的安全です。
ただし、高気密性の高級クーラーボックスには「ドライアイス使用禁止」と明記されていることがあります。
これは、そうしたモデルでは内部に二酸化炭素が溜まりやすく、圧力が増大するためです。
クーラーボックスが爆発しない理由
クーラーボックスにはフタと本体の間にゴムパッキンが設けられていますが、これが完全に気密であるわけではありません。
このパッキンを通じて内部のガスが徐々に外に漏れ、内部圧力が危険なレベルに達することはまれです。
さらに、クーラーボックスの断熱材が温度変動を抑制するため、ドライアイスの気化速度はペットボトル使用時よりも遅くなります。
フタは簡単に開く構造なので、圧力が増大してもフタが開きガスが逃げることが可能です。
それでも、安全を確保するためにはドライアイスを入れたクーラーボックスのフタを定期的に開けて換気することが推奨されます。
クーラーボックスの構造と気密性
クーラーボックスは、外部の温度変化から内部の温度を保護するために断熱材で覆われています。
使用される断熱材には発泡スチロール、発泡ウレタン、真空パネルなどがあります。
フタの内側にはゴムパッキンがあり、これが一定の気密性を提供しますが、パッキンの品質や状態によって気密性には差があります。
使用されるパッキンは、製品によって異なりますが、高品質なものは形状を保持しやすく、より良い気密性を保つことができます。
一方、低価格の製品では、使用が進むにつれて気密性が低下することがあります。
国産クーラーボックスの多くは高品質のパッキンを採用していますが、一部の輸入品ではパッキンが省略されている場合もあります。
クーラーボックスを使用する際は、タイプに関わらず定期的な換気を行うことで、ペットボトルのような急激な爆発を防ぐことが可能です。
ドライアイスの特徴と用途
ドライアイスは、固体の二酸化炭素であります。
マイナス79度という極めて低い温度で存在し、その冷却能力から冷却剤として幅広く使用されています。
一般的な氷と異なり、ドライアイスは溶けた際に液体に変わることなく、直接ガス状に気化します。
この性質のおかげで、冷やされた物が湿ることがなく、様々な用途で重宝されています。
クーラーボックスでドライアイスを安全に保管する方法
ドライアイスをすぐに使わない場合、多くは翌日のキャンプやバーベキューで使用されることが多いです。
以下に、クーラーボックスでドライアイスを安全に保管する際のポイントを説明します。
気化を遅らせる対策
ドライアイスを新聞紙や布で包むことで、外部からの熱が直接伝わるのを防ぎます。
この方法で、冷気が外に逃げるのも防ぐことができます。
できれば、ドライアイスを小さな容器に入れて、その上から布や新聞紙で覆い、クーラーボックスに置いてフタをします。
これによりドライアイスの帰化速度を抑え、クーラーボックス内の二酸化炭素の蓄積を減らすことができます。
定期的な空気の入れ替え
ドライアイスは気化を完全に止めるのは難しく、マイナス79度以下を保持することは通常不可能です。
そのため、クーラーボックス内に保管している場合は、定期的に空気を入れ替えることが必須です。
これにより、内部の二酸化炭素が逃げ、圧力増加や爆発リスクを減少させることができます。
特に夜間に一度空気を入れ替え、使用前の朝にも再度行うことで安全に保管できます。
ただし、空気を入れ替える際には、外の暖かい空気が内部の気化を促進するため注意が必要です。
専用の保管ボックスの使用
市販されているドライアイス専用の保管ボックスを利用するのも一つの方法です。
これらは価格は高めですが、大量のドライアイスを扱う際には特に役立ちます。
オンラインで購入する場合、専用ボックスに入れられて配送されることもあるので、購入時にはこの点を考慮に入れると良いでしょう。
まとめ
クーラーボックスでのドライアイスの使用は一般に安全とされています。
ペットボトルのような小さく完全に密閉された容器と違い、クーラーボックスはより大きく、完全に気密ではなく、優れた断熱性を持っています。
これにより、爆発のリスクが非常に低くなります。
ドライアイスをクーラーボックス内で安全に保管するには、以下の方法を推奨します。
- ドライアイスが早く気化するのを避けるために、新聞紙や布でしっかりと包む。
- クーラーボックス内の空気を新鮮に保つため、定期的に蓋を開けて換気する。
安全性について心配な場合は、ドライアイス専用の保管ボックスを使用することも一つの選択肢です。
ペットボトルにドライアイスを入れて密封して持ち運ぶことは非常に危険ですので、絶対に行わないでください。
ドライアイスを正しく使用すれば、非常に便利なツールです。
その使用方法をよく理解し、安全に扱いましょう。