寒梅粉(かんばいこ)は和菓子に使われるもののようですが、うまく説明できる人は少ないのではないでしょうか。
では、寒梅粉の正体は何なのでしょう?
また、どうやって使われているものなのでしょうか?
今回は、そんな馴染みのない「寒梅粉」についてのお話をさせていただきます。
寒梅粉とは何?具体的な用途は?
寒梅粉とは何なんでしょうか?
寒梅粉とは何?
先に答えを言ってしまいますと、寒梅粉とは、「和菓子の原材料に使用される米粉」の一種です。
どうして寒梅粉と呼ばれているのかについても疑問の声が聞こえてきそうですが、そもそも梅が入っていたり、梅の味がするわけではありません。
寒梅粉の原料である新米を粉に挽く時期が、ちょうど冬が終わる前の、梅の咲く季節であるため、「寒梅粉」と呼ばれるようになりました。なんとも風流なネーミングですよね。
では、「米粉」にはどういった種類があるのかについて説明していきます。
まず米粉と言われるものを分類していくと8種類あります。
白玉団子や大福などに使われる「白玉粉」
求肥や羽二重餅などに使われる「もち粉」
お団子や柏餅、すあまなどに使われる「上新粉」
薯蕷まんじゅうなどに使われる「上用粉(薯蕷粉)」
道明寺の桜餅に使われる「道明寺粉」
そして「寒梅粉」
寒梅粉の仲間である「みじん粉」
ゆべしなどに使われる「上南粉」
が挙げられます。
これら米粉は、さらに「うるち米」か「もち米」かの2つに分類することができます。
もち米の粉を使うとモチモチとし、うるち米を使うとコシのある食感を楽しむことができるとされています。
ほかにも、α型とβ型という分類があります。
- α型は米を加熱(糊化)してから粉にしたもの
- β型は米を加熱せずにそのまま粉にしたもの(生粉)
のことです。
これらの分類を寒梅粉に当てはめてみると、寒梅粉は、「うるち米・α型」となり、シコシコとしたコシがあるもので、加熱しなくても使うことができる米粉であると言えます。
寒梅粉とみじん粉の違いは?
みじん粉は、おもちを延ばして鉄板で焼いて、粉末上に挽いたものです。
その「みじん粉」を、さらにふるいにかけて粒子を細かくしたものが「寒梅粉」なのです。
つまり、形状こそ違えど、同じものでできているのですね!
寒梅粉の具体的な用途は?
口に含むとホロリと繊細に溶けるような優しい歯ざわりの干菓子である落雁。
練った白あんを主原料とする生菓子である練りきり。
半生菓子に属する焼き菓子の白餡に砂糖、卵黄、米粉を天火などで焼いて作る桃山。
といった和菓子に利用されています。
寒梅粉ってスーパーで買える?それとも通販?
ここまで寒梅粉について分かってきたものの、実際に目にしたことがないし、そもそも近所のスーパーで購入することができるの?とお思いの方もいらっしゃるかと思います。
寒梅粉は、市販の製品をスーパーでも入手することはできます。その際には、「製菓用品コーナー」に置いてあることが多いと思われますので、チェックしてみてくださいね。
また最近では、製菓専門店をはじめ、インターネットショッピング通販サイトからも購入することができます。
案外通販サイトからの購入をすると、手荷物にもならず、料金もお安いものがあったり、種類やメーカー・販売元の選択肢も多くて、おすすめですよ!
寒梅粉じゃないとダメ?代用できるものは?
それでは、寒梅粉がなかったとき、寒梅粉の代わりに使えるものはあるのでしょうか?
実際には、みじん粉や上南粉による代用は、全く問題なく可能であるとされています。
ただ、製造工程に若干の違いがあるので、完全に寒梅粉と同じように仕上がるわけではないので留意しておきましょう。
寒梅粉(かんばいこ)とは何?具体的な用途と代用できるものまとめ
知れば知るほど奥の深い和菓子の米粉。
そんな中でも特にこれからの季節、いただくことの多くなるお菓子に使用される「寒梅粉」についてのお話でした。